東日本大震災以来、放射能の汚染にだれもが怖がっている。”怖いこと”と知りながら、普段の生活を送っている。チェルノブイリの事故が起こったとき、「大変だなあ!」と思いながらもどこか遠くのことのように他人事で思っていた。今、その立場になったとき・・・私たちは子供たちのために何を残せるのだろうか?何を大切に生きていけばいいのだろうか?そんなことを改めて感じる映画だった。1986年4月26日…25年前のこの日、チェルノブイリ原発事故が起こった。
「アレクセイと泉」はこの事故で被災したベラルーシの小さな村が舞台。この村に残ったのはお年寄りと一人の青年。小さい村の美しい自然、そして、主人公「アレクセイ」のやさしく強い姿は本当に心が洗われる感じだった。その村の”泉”からは百年前の水が湧き出ている。村人はこの泉に感謝し、この村で生きることを楽しんでいる。写真家・本橋成一さんの暖かいまなざしが坂本龍一さんの音楽にのせて"本当の豊かさとは何か"を語りかけてくる。また、どこかでもう一度観たいと思う。